
スタジオジブリの数々の名作アニメーション。その感動の裏側には、私たちの想像を絶する深遠な「原作の世界」があるのをご存知でしょうか?
映画では描ききれなかったナウシカの衝撃的な結末や、実は35歳まで続いていたキキの物語など、原作本を手に取ることで初めて解ける「ジブリの謎」が数多く存在します。
今回は、そんなジブリ作品の原点ともいえる「原作本」の国内累計発行部数を調査し、売上ランキングTOP12をまとめました。
映画と原作の意外な設定の違いや、制作にまつわる裏話も交えてご紹介します。ページをめくれば、あなたの大好きなあの映画が、また違った表情を見せてくれるはずです。
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ジブリの原作本ランキングトップ12
12位:思い出のマーニー
ジョーン・G・ロビンソンのイギリス児童文学を、米林宏昌監督の手によって北海道の釧路湿原へと舞台を移して映画化した本作は、宮崎駿監督が自身の著書で「中学生までに読んでほしい」と推薦する50冊の中に選んでいたほど深い愛着を持つ一冊です。
原作が持つ「孤独な魂の救済」という重厚なテーマを丁寧に汲み取り、霧深い湿地帯の空気感や、マーニーという謎めいた少女の静謐な佇まいをアニメーションとして完璧に再現したことで、世代を超えて受け継がれる「自分を愛すること」への温かなメッセージを届けています。
みんなは“内側”の人間だけれど、自分は“外側”の人間だから――
心を閉ざすアンナ。親代わりのプレストン夫妻のはからいで、自然豊かなノーフォークでひと夏を過ごすことになり、不思議な少女マーニーに出会う。
初めての親友を得たアンナだったが、マーニーは突然姿を消してしまい……。やがて、一冊の古いノートが、過去と未来を結び奇跡を呼び起こす。
イギリス児童文学の名作。
11位:海がきこえる
氷室冴子が高知の高校生たちの瑞々しい葛藤と都会への憧れを描いた青春小説であり、当時のスタジオジブリで「宮崎駿・高畑勲の両巨頭を抜きにして、若手スタッフの力だけでどこまで通用する作品が作れるか」という野心的な挑戦から生まれた初のTVスペシャル作品です。
原作者の氷室さんは、映画独自の演出である「大人になった主人公たちが駅のホームで再会するシーン」に非常に感動し、原作の行間を読み解いたスタッフたちの解釈を絶賛しており、今もなお「忘れられない名作」として多くのファンの心に刻まれています。
「あたし、高知に行くまでは世間とうまくやってる
いい子だったのよ。あれからずっと世間とずれっぱ
なしの感じがする」大学進学で上京した杜崎拓は
「ある事件」で疎遠になった高校時代の転校生・武
藤里伽子が、地元大学への進学を蹴り東京に舞い
戻った事を知る。気まぐれな美少女に翻弄されなが
ら、その孤独に耳を澄ました短い日々を回想する拓
に、思いもかけない再会の機会が訪れる。
10位:風立ちぬ
堀辰雄の同名小説をタイトルに冠しつつも、映画の内容は実在の零戦設計者である堀越二郎の半生に、小説『風立ちぬ』に描かれた結核の恋人との切なくも美しい愛の物語を大胆にドッキングさせた、宮崎監督独自の「創作された伝記」となっています。
全く異なる二人の人生を一人の主人公に統合し、さらには夢の中の案内人としてカプローニという異国の設計者を登場させるという、現実と幻想が入り混じる奇跡的な構成によって、激動の時代に「美しいもの」を作ろうと足掻いた男の情熱と哀哀が見事に描かれています。
共に病に冒されている「私」と婚約者・節子。彼女に付き添ってやってきた、美しい自然に囲まれた高原のサナトリウムで、ふたりの「少し風変わりな愛の生活」が始まる。死の影におびえながらも、残された時間を支えあいながら生きる幸福。
そして、ふたりだけが知っている生の愉しさ―――。
作者自身の体験をもとに書かれ、〈風立ちぬ、いざ生きめやも〉の一節が印象に残る不朽の名作は、いまも私たちに、生きることと死ぬことの意味を静かに問うてくる。
9位:ハウルの動く城
ダイアナ・ウィン・ジョーンズの原作『魔法使いハウルと火の悪魔』には、ハウルが実は現代のウェールズ出身で、魔法の力を借りて異世界を行き来しながらラグビーを観戦したり甥っ子にプレゼントを贈ったりしているという、驚きのメタ設定が存在します。映画版ではあえてその現代的な設定を完全に削ぎ落とし、戦火が広がる幻想的な世界の中でのソフィーの自己肯定と、ハウルとの不器用な愛の形に焦点を絞ることで、原作の持つ軽妙なユーモアを保ちつつも、より壮大で情緒的なファンタジー作品へと再構築されました。
魔法が本当に存在する国、インガリーに生まれたソフィーは、魔女に呪いをかけられ、90歳の老婆の姿になってしまう。
うぬぼれ屋で移り気な若い魔法使いハウルの城に移り住んだソフィーは、ハウルに魔力を提供している火の悪魔と取引をする。やがてソフィーとハウルが力をあわせ魔女と戦う時が…?
8位:借りぐらしのアリエッティ
メアリー・ノートンによるイギリス児童文学の『床下の小人たち』は、宮崎監督が40年以上前から「いつかアニメーションにしたい」と温め続けていた企画であり、企画書の中で「小人たちが現代の日本で必死に生きている姿を描く」という明確なビジョンを提示していました。
舞台を1950年代のイギリスから、東京郊外の小金井市周辺を思わせる古い屋敷の庭へと移したことで、私たちのすぐ足元に「借りぐらし」の民がいるかのような親近感を生み出し、自然の美しさと滅びゆく種族の切なさが同居する独特の世界観を作り上げました。
イギリスの古風な家の床下に住む小人の一家.生活に必要なものはすべて,こっそり人間から借りて暮らしていましたが,ある日,小人の少女がその家の男の子に見られてしまいます―.
カーネギー賞を受賞した,イギリスファンタジーの傑作.「小人シリーズ」の第1作.
7位:耳をすませば
柊あおいの少女漫画が原作ですが、映画化にあたり宮崎駿氏がプロデューサーとして「単なる恋愛ものに終わらせず、若者が才能を磨くことの厳しさを描くべきだ」と強く助言したことで、天沢聖司の夢が原作の「画家」から「ヴァイオリン職人」へと変更されるなどの大幅なブラッシュアップが行われました。
映画版では雫が小説を書くことで自分と向き合う姿が強調されていますが、原作の持つ瑞々しい感性を大切にしつつ、職人気質なジブリらしい「自己研鑽」のエッセンスが加わったことで、大人になっても心に響く青春のバイブルへと昇華されたのです。
8月、夏休み。本が大好きな中学生・雫が不思議な猫に導かれてたどりついた場所は…? 気になる少年との出会い、将来の夢、生まれて初めての気持ち…。
雫の中で、なにかが変わりはじめる――。
スタジオジブリによってアニメ化もされたファンタジックストーリー。
6位:シュナの旅
チベットの民話『犬になった王子』をモチーフに、宮崎駿監督が水彩画で描き上げたこの美しい絵物語は、後の『ゲド戦記』の世界観や『もののけ姫』に登場するヤックルのデザイン、さらには『風の谷のナウシカ』の荒廃した世界の描写にも多大な影響を与えた「ジブリの原石」とも言える一冊です。長らく「幻の名作」として語り継がれてきましたが、2022年に英語版が出版されると、アメリカで最も権威ある漫画賞「アイズナー賞」を受賞するなど、刊行から40年近い時を経てその普遍的な芸術性が再び世界を熱狂させています。
チベットの民話「犬になった王子」をもとにした
谷あいの貧しい小国の後継者シュナの物語。
絵物語という形式で自らの夢を形にした、
宮崎駿監督のもう一つの世界。
1983年以来のロングセラー。
映画「もののけ姫」に出てくるヤックルも活躍!
5位:火垂るの墓
野坂昭如が自らの凄絶な戦争体験と、栄養失調で亡くした妹への拭いきれない悔恨を綴った直木賞受賞作であり、実は主人公の清太は著者自身の投影であるものの、実際の野坂氏は「妹に優しくできず、彼女の食べ物を奪ってしまった」という激しい自責の念を抱えていました。その消えることのない罪悪感を鎮めるために、「せめて物語の中だけでも妹に優しくしたい」という祈りを込めて書かれたこの小説は、高畑勲監督の徹底したリアリズム演出によって映像化され、今や世界中で「戦争の悲劇を語り継ぐ最高傑作」として不動の地位を築いています。
昭和20年9月21日、神戸・三宮駅構内で浮浪児の清太が死んだ。蚤だらけの腹巻きの中にあったドロップの缶。その缶を駅員が暗がりに投げると、栄養失調で死んだ4歳の妹、節子の白い骨がころげ、蛍があわただしくとびかった――。
浮浪児兄妹の餓死までを独自の文体で印象深く描いた『火垂るの墓』、そして『アメリカひじき』の直木賞受賞の2作をはじめ、著者の作家的原点を示す6編。
4位:魔女の宅急便
角野栄子による全6巻の原作シリーズは、13歳のキキが修行に出る場面から始まり、最終的には彼女が35歳になり、二人の子供(ニニとトト)の母親として奮闘するまでの30年間の歳月を優しく見守るように描いています。
映画版では「魔法が弱くなる挫折」や「飛行船からの救出劇」といった、アニメならではの手に汗握るドラマチックな展開が追加されましたが、原作者の角野さんは当初、この大胆な改変に驚きつつも、「映画と原作は、それぞれ違う魅力を持つ別の物語」として、キキの成長という核が守られていることを高く評価しています。
お母さんは魔女、お父さんは普通の人、そのあいだに生まれた一人娘のキキ。
魔女の世界には、13歳になるとひとり立ちをする決まりがありました。
満月の夜、黒猫のジジを相棒にほうきで空に飛び立ったキキは、不安と期待に胸をふくらませ、コリコという海辺の町で「魔女の宅急便」屋さんを開きます。
落ち込んだり励まされたりしながら、町にとけこみ、健やかに成長していく少女の様子を描いた、世界中で愛される刊行40周年を迎えた不朽の名作。
3位:ゲド戦記
アーシュラ・K・ル=グウィンの世界的傑作『ゲド戦記』を原作とした本作は、かつて宮崎駿監督が「これこそが自分が最も映画化したかった作品だ」と原作者に打診しながらも一度は断られたという、数十年にわたる悲願の歴史を持っています。
後に原作者側から許可が下りた際、引退を考えていた父に代わり息子の吾朗氏が監督を務めることになりましたが、この継承を巡る父子の葛藤や確執が、劇中の「父殺し」という衝撃的なテーマに重なっているのではないかと議論を呼ぶなど、作品の内外で強いドラマ性を秘めています。
大魔法使いオジオンに,才能を見出された少年ゲド.自分に並はずれた能力がそなわっていることを知ると,魔法の力にさらに磨きをかけようと,魔法の学院に入る.得意になった彼は禁じられた呪文を唱え,自らの〈影〉を呼び出してしまい,〈影〉との果てしない戦いに引き込まれていくことになる.大賢人ゲドの若き日の物語.
2位:君たちはどう生きるか
吉野源三郎による1937年の名著は、映画の直接的なストーリーをなぞる原作ではなく、主人公の眞人が現実世界から異界へ旅立つきっかけとなり、亡き母の愛と「どう生きるべきか」という問いを再確認させる「劇中の重要な指針」として登場しています。
宮崎監督自身が少年時代にこの本に出会い、ノートを真っ黒にするほど感想を書き留めたという実体験が投影されており、映画が公開されるやいなや、時を超えた普遍的なメッセージが再び現代人の心に刺さり、児童文学としては異例の数百万部を超えるメガヒットを記録しました。
著者がコペル少年の精神的成長に託して語り伝えようとしたものは何か。
それは、人生いかに生くべきかと問うとき、常にその問いが社会科学的認識とは何かという問題と切り離すことなく問われねばならぬ、というメッセージであった。
著者の没後追悼の意をこめて書かれた「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」(丸山真男)を付載。
1位:風の谷のナウシカ
宮崎駿監督が12年もの歳月をかけて描き切った全7巻の漫画版は、映画で描かれた物語が実は序盤の2巻目までに過ぎないという衝撃の事実があり、その先には「腐海の真の目的」や「人類再生の過酷な計画」といった、映画の清々しいラストを覆すほどの深遠な哲学と文明論が展開されています。監督自身、連載中は「この物語を完結させるまでは死ねない」と語るほど心血を注いでおり、アニメとは異なる冷徹なまでのリアリズムと、生命への圧倒的な慈しみを感じさせる壮大な結末は、全てのジブリファンが一度は通るべき「聖域」とも呼べる一冊です。
巨大産業文明滅亡後1000年、
人類はわずかに残された居住可能な土地に点在していた。
「風の谷」の族長の娘ナウシカは、世界を再生すべく様々な試練に立ち向かい、ついには世界の真実へとたどりついて行く。
一コマ一コマ緻密に描き込まれた絵と人類の生存を巡る普遍的なテーマ。
宮崎駿監督が12年にわたり描き続けた本作は、世代を超えて読み継がれる不朽の名作!
ジブリ原作本のトレンド分析:なぜ今、私たちは「原点」に惹かれるのか?
スタジオジブリの映画は、公開から数十年が経過しても色褪せることなく愛され続けていますが、近年、その「原作本」がかつてないほど注目を集めています。その背景には、3つの大きなトレンドがあります。
「考察文化」の定着と情報の深掘り
SNSや動画サイトで「ジブリ徹底考察」というジャンルが確立された今、ライトなファンからコアな層までが「映画では語られなかった真実」を求めるようになりました。例えば、『ナウシカ』の巨神兵の正体や、『魔女の宅急便』のキキのその後など、映画という限られた時間(約120分)では描ききれなかった膨大な設定を、原作という「辞書」で補完する楽しみ方が一般化しています。
名著の「リバイバル現象」
『君たちはどう生きるか』のメガヒットに見られるように、宮崎駿監督が影響を受けた古典文学が、映画を窓口にして現代に蘇っています。これは単なるブームではなく、変化の激しい現代において「どう生きるか」「何が大切か」を問い直す読者が増えていることの現れです。ジブリ映画は、私たちが本来出会うべきだった「一生モノの良書」へと導く最良のナビゲーターとなっています。
デジタル時代における「紙の本」の所有価値
近年、ジブリ作品の「背景美術」や「設定資料」を網羅した豪華な画集や新装版が続々と出版されています。便利さ以上に、美しい装丁の本を手元に置き、じっくりとページをめくるという体験自体が、デジタルネイティブ世代にも新鮮な魅力として映っているのです。
よくある質問(FAQ)
Q:映画と原作、どちらを先に読むのがおすすめですか?
A: 基本的には映画から入るのがスムーズです。映画の美しい映像と音楽が頭にある状態で原作を読むと、文字情報が鮮やかに映像化され、より深く物語に没入できます。ただし、『ナウシカ』のように物語が全く別物になる作品は、あえて原作から読み、その衝撃を先に味わうという「玄人向け」の楽しみ方もあります。
Q:原作を読んだら映画のイメージが壊れてしまわないか心配です。
A: むしろ「解像度が上がる」体験になります。ジブリは原作をそのままなぞるのではなく、エッセンスを抽出して映画に昇華させています。原作を読むことで、監督が「なぜここを変更したのか?」という意図が見えてくるため、映画をよりクリエイティブな視点で楽しめるようになります。
Q:絶版になっていて手に入りにくい原作本はありますか?
A: 本記事で紹介したTOP12は、いずれも現在も重版が続いているロングセラーです。徳間書店、岩波書店、角川書店などから「ジブリ原作」としてコーナーが作られていることも多いため、比較的入手しやすいはずです。絶版の心配よりも、古い表紙のものから「新装版」に切り替わっていることが多いので、最新のイラストのものをチェックしてみてください。
Q:映画化されていない「宮崎駿監督の漫画」は他にもありますか?
A: はい、あります!例えば『宮崎駿の雑想ノート』などに収録されている短編や、映画『紅の豚』の元になった『飛行艇時代』など、ファンなら垂涎ものの名作が多数存在します。これらも「ジブリの原点」を知る上で欠かせない資料です。
Q:海外の原作本を英語で読むのは難しいでしょうか?
A: 『魔女の宅急便』や『思い出のマーニー』などはもともと児童文学ですので、比較的平易な英語で書かれています。英語学習を兼ねて、ジブリの翻訳版(英語版)に挑戦するファンも非常に多いですよ。
まとめ:一冊の本から始まる、もうひとつのジブリの物語
スタジオジブリの映画は、私たちを異世界へと連れ出し、勇気や優しさを教えてくれる魔法のような存在です。しかし、その魔法の正体は、古今東西の作家たちが綴った「言葉」という強い根っこに支えられています。
今回ご紹介した12冊の原作本は、どれも映画という枠を超えて、あなたの人生に寄り添ってくれる力強さを持った作品ばかりです。
・「あのシーンの本当の意味」を深く知りたいとき
・映画のエンディングの「その後」を追いかけたいとき
・宮崎監督が何に心を動かされたのかを共有したいとき
ぜひ、一冊の本を手に取ってみてください。スクリーンの中で見ていた世界が、今度はあなたの心の中で、より鮮やかな色彩を持って動き出すはずです。映画館での感動とはまた違う、静かで、それでいて深い「自分だけのジブリの旅」が、そこには待っています。
※セール・商品情報などは変更になる場合がありますので必ずご確認の上ご利用ください。
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最後までお読みいただきありがとうございます。
良い本と、良い出会いを。














