
幕末の終焉、そして近代日本の夜明け——。
その転換点に立ち、わずか三年で日本を変えた男がいました。小栗上野介忠順。
幕府の財政を立て直し、横須賀製鉄所を築き、近代海軍の礎をつくった稀代の改革者。
しかし、維新の波に抗い、信念を貫いた末に非業の最期を迎えた悲劇の政治家でもあります。
2027年の大河ドラマで主役に決定したことで、再び注目が集まる小栗上野介。
本記事では、彼の生涯・思想・功績を多角的に理解できるおすすめ本を厳選して紹介します。
歴史の教科書では語られない“真の近代化の立役者”を、この機会に学び直してみませんか?
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幕末の改革者を知る一冊:小栗忠順の真実に迫る本
小栗上野介 / 村上 泰賢 (著)
幕末の混乱が続くなか、渡米の経験を活かして、日本の近代化のために奔走した最後の幕臣・小栗上野介。遣米使節の渡米150周年(2010年)にあたり、その業績を改めて検証する。
安政七(一八六〇)年一月、この時三十四歳だった小栗は、遣米使節の目付として、日米修好通商条約批准のため渡米。
世界を一周し九ヶ月後に帰国。その後、混乱のさなかにあった幕末期に、勘定奉行や外国奉行などの要職を歴任し、日本の構造改革に奔走した。
・こんな偉人がいた事にまったく知らないのにショックです。横須賀出身なのに今まで知らなかったとは学校も地域も教わる機会を奪って来ている事に絶句してます。
覚悟の人 小栗上野介忠順伝 / 佐藤 雅美 (著)
倒幕派に最も恐れられた幕臣の鮮烈なる軌跡
徳川幕府の末期に、対米外交、財政再建、軍隊の近代化と各方面にわたって獅子奮迅の働きをみせた小栗上野介忠順。自らの信念と使命に殉じ、日本新時代の礎を築いた幕臣の姿を鮮烈に描く歴史小説。
・江戸時代について歴史考証的にも信頼が高い佐藤氏の一冊 小栗という人物の目線から幕府崩壊を見れば その実情はよく理解できる・・・ 最近司馬史観に対する疑問の声が大きく聞かれるが 佐藤氏の小栗を通した慶喜観も面白い 最後の将軍への基本的イメージを打破する本でもある
小説 小栗上野介 日本の近代化を仕掛けた男 / 童門 冬二 (著)
「いまの徳川幕府の体制では、絶対にこの国難を切り抜けることはできない」
1853年、ペリー来航で揺らぐ幕末。
徳川武士の小栗上野介は、近代化こそが日本の生きる道と信じ、遣米使節団の一員として渡航する。
目的は、不平等条約の是正と西洋文明を学ぶこと。
だが、彼を待ち受けていたのは――。
小栗上野介を通して幕末史の裏側に迫る長編。
小栗上野介抹殺と消された「徳川近代」/ 原田 伊織 (著)
元号が明治に改元される5か月前、幕臣小栗上野介忠順が新政府軍に取り調べを受けることなく斬首されるという事件が起こった。
後に大隈重信によって「明治政府の近代化政策は、小栗忠順の模倣にすぎない」とまで称された逸材である。
万延元年(1860)、小栗は、日米修好友好条約の批准書交換のために派遣された徳川幕府遣米使節の目付としてアメリカを訪れた。そこで目にしたのは工業化、近代化が高度に発展した大国の姿だった。
小栗は、工場で手にした一本のネジとともに帰国。日本の近代化に着手する。横須賀に製鉄所、築地に日本で最初の本格的なホテルを建造し、さらには近代的な陸軍の創設にもかかわった小栗の歩みを照射することで、幕臣らによって進められていた「徳川による近代化」の全貌をひもといていく。
さらに、咸臨丸でアメリカに渡った遣米使節の一員だった秀才・小野友五郎など、ニッポン近代化の礎として活躍した幕府のテクノクラートの足跡を辿り、なぜ彼らの功績が埋没したかを検証。抹殺された歴史の真実を解き明かす。
・この本は、いかに日常にあやふやな情報が多いか、というよりドラマや小説でいつの間にか真実のように語られている(語っている)事がいかに多いかに気付かせてくれる。 小栗忠順を主人公として、史実に基づいたドラマが見たいと思った。
小栗上野介(主戦派)VS勝海舟(恭順派) / 島添芳実 (著)
本書は、薩長側から見た幕末・明治維新関連小説とは一線を画した、
小栗上野介と勝海舟という二人の幕臣が繰り広げる確執を追いながら、
徳川幕府側から歴史の真実に迫ろうとする画期的な長編小説である。
身分制を前提とする封建制を廃止して郡県制を確立しなければ、
民族的結集と半植民地的地位からの脱却は困難だとの考えを共有する二人ではあるが、
その政権構想は重心の置きどころが異なった。
徳川幕府こそが政権の中心たりえるとする小栗上野介と、
まず徳川幕府が権力を手離すことが肝要とする勝海舟との考えは歩み寄ることをしなかった―。
・明治維新というテロは関ケ原以来の怨念が根底にあって遂行されたと思えてくる。しかし、勝と小栗の考え方と行動の対照は明治維新の真相解明に大きなヒントになると思う。
小栗上野介 殺された幕末改革の旗手 / 蜷川 新 (著)
『小栗上野介 殺された幕末改革の旗手』(蜷川 新・著)は、通説に異を唱える“雪冤の書”として、幕末維新期に埋もれがちな小栗忠順の先見性と国家構想を克明に描き出す評伝です。 
維新の光と影を背景に、小栗が抱いた国家ビジョン、近代化への挑戦、政争や暗殺に至る運命……その歩みを丁寧に紐解きます。 
ただの歴史再現にとどまらず、教科書的な枠を超えて「偏見」を問い直す視点を提供する一冊。歴史の裏側を知りたい人に深い問を投げかけます。
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最後までお読みいただきありがとうございます。
良い本と、良い出会いを。






